NPO「スーリール」 手話で世界広げよう 月一カフェが人気 南区 /広島 (毎日新聞2017年3月31日 地方版)
中区紙屋町の地下街シャレオで月に1度、規格外野菜やハンドメード雑貨が並ぶマルシェ(市場)。手話で楽しそうに接客する女性がいた。
障害のある人たちが働くNPO法人「スーリール」の上迫美津子さん(62)。手話カフェもあるという南区仁保新町1の事務所を訪ねた。
「スーリール」はフランス語で「ほほ笑み」の意味。8年前に設立され、聴覚に障害のある技術者15人が働く。
縫製部と木工部、内職の3部門に分かれ、それぞれが技を生かして商品を製作している。
代表の山口ゆかりさん(52)も聴覚障害がある。
「その代わり、見る力や集中力が優れていると感じています。
ここの技術者は、年齢を重ねても働き続ける。技術を持っていれば、年齢や障害による壁は思うほど高くはないと周りに伝えたい」と話す。
仕事で重要なコミュニケーションはどうしているのだろうか。
「他人との意思確認や関係を深めたいと思えば、手話が必要になります」と話し、「年齢が違うと使う手話も違う。手話は言語ですから、生活とともに生きている。
例えば『名前』も、右手で輪を作って左胸に置き、ネームプレートを表現する方法と、開いた左手に右手の親指を縦に置き、表札を表現する方法があります。
一発で分かり合えなくても、いいんです。
『ちょっと理解がずれているかな』と思えば、ジェスチャーや筆談をしたりして、通じ合えたときは最高です」
毎月第4土曜日の午後1時半~3時半に手話サロン「カフェ・シーニュ」を開いている。
山口さんは「英語カフェのように、とにかく会話する。
こちらから一方的に教えるスタイルではなく、質問したいことを自由に筆談や身ぶりで聞いてもらいます。レベルや年齢は問わない」。
禁止されているのは声に出しての会話だけ。壁はできるだけ取り払うのがスーリール流だ。
問い合わせはスーリール(082・288・7936)。【信永真知子】
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